私の特にお気に入りのアナログレコードプレーヤーです。
本機はJL-B41の後継機ですが、Ⅱはとても珍しくオークションでもあまり見かけません。
Ⅰの情報はありますが、Ⅱの情報は見つかりませんが多くの違いがあります。
JL-B41では松下製DCサーボモーターを使っていましたが、
ⅡではJL-B31やJL-B61と同じ、今ではとても希少な自社製のACサーボモーターを使っています。
このACモーターはコギングの発生がなく滑らかに回転するとされマニアの間では根強い人気があります。
JL-B41のDCモーターをJL-B31のACモーターと載せかえてしまうマニアの方も居られるほどです。
このオークションでとても人気があってしばしば驚くほど高額になるMICRO DD-5やDD-7と同じモーターです。
このACモーターの採用がこの機種の大きな特徴といえるでしょう。
みなさんは肝心のモーターにはあまり関心を持たないのでしょうか。ダイレクトドライブプレーヤーではモーターが重要な鍵になります。
JL-B41やB31などを複数入手して整備したところでは
このACモーターの方がDCモーターより制御回路がシンプルなせいか故障が少ないようです。
実際、私が入手したビクターのこのACモーター機で本当に故障していた機種には出会ったことがありません。
たいてい接点クリーニングと調整だけで使えてしまいます。こういった古いプレーヤーでは故障しない事は特に大きなメリットです。
本機のACモーターは全く同じ物をマイクロが好んで使っていました。とても人気の高いDD-5やDD-7、Take-5など多数の機種が存在します。
内部の画像などを見ると電源部や制御部のパーツなどが本機とほぼ共通なのでモーターだけでなくこの辺りもビクターが関わっていると思われます。
これらの機種はモーターなど回転系はほぼ共通と考えられます。ここにDD-5のテスト記事があります。
テスト結果として回転性能はとても優秀でビクターのACモーターとその制御が優れていることが伺えます。
もちろんメーカー、機種が違うので完全に同じ物とは言えませんがとても参考になるかと思います。
入手時カートリッジは付属していなかったので純正付属カートリッジもわかりません。
当時このアームによくセットされていたZ-1Sあたりかと思います。
そこで今回は即決で購入された方には特典としてちょっと珍しいパイオニアの高出力MCのPC-3MCをお付けします。
パイオニアのカートリッジというとちょっとピンときませんが、MMでもMCでもとても素晴らしい製品をたくさん出していました。
このPC-3MCはシリーズ機もたくさんあり、また後継版も出ていました。当時の流行だったのか針交換できるタイプのMCです。
さらに高出力なので昇圧トランスやヘッドアンプなど不要で一般的なMM入力でそのまま使えます。
多くはパイオニアのレコードプレーヤーの付属品だったようです。
私はとても優れた製品と思うのですが当時のマニアの方には付属品で安物のイメージが付いてしまって受け入れられず消滅してしまいました。
どうもマニアの方は音よりイメージが大切だったようです。私はこのクラスでもじゅうぶんMCの素晴らしさは感じられるので高く評価します。
このシステムはとても良いと思うのですが現在では原価がかかり過ぎて商売にならないでしょう。当時でも赤字だったかもしれません。
交換針の現行品はありませんがオークションでは新品針の出品はけっこうあり私も入手しました。
針の使用時間はわかりませんが現状MCカートリッジらしいとても切れの良い繊細な音が出ています。
さらに即決で購入された方にはジュエルトーン(ナガオカ)RC-401Jスタビライザー/スタイラスクリーナーをお付けします。
http://20cheaddatebase.web.fc2.com/needie/NDnagaoka/CL-ST.html
スタビライザーとしては軽量タイプなので本機のようなトルクの弱いタイプのプレーヤーに適しています。
なにより珍しいのはマイクロファイバーのモフモフが取り付けられており針先クリーニングにも使えてとても便利です。
プラ部分に劣化が見られますが問題なく使用できると思います。
私のお気に入りの製品の組み合わせです。ぜひ即決で購入される事をお勧めします。
JL-B41の方は良くご存知の方も多いかと思いますが、このアームを良くご覧ください。
QL-7Rなどと同じ単売のUA-7045/5045系ニュージンバルサポート方式のアームに変わっています。
以前のTH式アームもとても良いものでしたが、この7045系アームは単売品では
故長岡鉄男氏が値付けが安すぎてかえって売れなかったと仰った事が良く知られています。そのため現在でもとても人気が高いものです。
プレーヤー搭載用としては簡略化されていますが、同じシリーズでもそのバリエーションは実に多く
この前期型はかなり単売品に近いものになります。
たとえばアームリフターのレバーをQL-7Rの物などと比べてみてください。
このアームは古くなるとウエイト部が下がる事がありますが、本機では調整して特に問題はありません。
出品にあたり動作確認とクリーニング、メンテナンスしました。
古くなると劣化しやすいパーティクルボードですが底部木口には劣化が進まないよう塗装をかけておきました。
木口など本体のパーティクルボードには若干劣化がありましたが補修、塗装をかけてあります。
特に後部は酷く劣化しているのですがその他はあまり問題はありません。酷いのは後ろ側だけなので見た目ではわからないでしょう。
塗装してこの後は劣化は進まないと思います。底板にも劣化はありますが接着補修で問題なく使用できると思います。
全体の傷は少なく角部などに化粧シートの剥がれや継ぎ目の開きもほとんどありません。
プラッターやアームの金属部はコンパウンドや金属磨きクロスなどで磨いてピカピカです。
モーター軸受けは古い油をふき取り、新たに超潤滑性の特別なオイルを注油しました。
回転調整ボリュームやスイッチ類は信頼できる接点復活剤を複数使い分けてクリーニング、接触不良は無く動作は良好。回転もとてもスムーズに調整できます。
ビクター機では電源部のケミコンを止める接着剤がはみ出て劣化して部品の脚を腐食させたりショートさせることがあります。
ここはいつもチェックしていますが本機は問題ありませんでした。
ケミコンの容量、ESR値もチェックして問題が無かったので接着剤がはみ出ないよう丁寧に戻してあります。
全体は特殊なクリーナーワックスで磨き、ダストカバーもコンパウンド磨き、クリーナーワックスで仕上げてとてもクリアーです。
僅かなキズ、スレなどはありますが年式からすればなかなか綺麗な美品と言えるかと思います。
添付画像をよくご覧になってご検討ください。写真は下手で申し訳ありませんが多めにupしておきました。
アームは取り外してパーツごとに丁寧に磨いてとても綺麗です。軸部もクリーニングして感度良好。
アームは古くなるとヤニなどが付着して感度が低下します。ここをクリーニングすると驚くほど感度が蘇ります。
アームリフターもグリスを交換してゆっくりとスムーズに降下します。
使いやすいダイヤル式のインサイドフォースキャンセラーも問題ありません。
回転も安定してストロボスコープも33回転、45回転も問題なく止まります。
劣化しやすい脚のインシュレーターのゴムも劣化は少なく問題なく使用できます。
ただし、インシュレーターのプラ部には若干痛みがありますが見た目や使用には問題は無いと思います。
付属品はゴムシートとEPアダプターです。取扱説明書はありませんが参考に前機種JL-B41の取扱説明書のコピーをお付けします。
さらに即決で購入された方には上述のパイオニアMCカートリッジPC-3MCとジュエルトーンRC-401Jスタビライザーをお付けします。
即決特典は少し高額にはなりますが私の特にお勧めの組み合わせなので絶対に損はさせません。
はじめてレコードプレーヤーをお使いになる方はアームのバランスのとり方や針圧の掛け方、アームの高さの合わせ方
カートリッジの取り付け方など一般的なプレーヤーの使い方をよくお調べになってからお使いください。
よくプレーヤーで問題になるのはカートリッジの取り付けによる接触不良とアームの高さ調整ですね。
ビクターはもともと
日本ビクター蓄音器といったくらいでレコードプレーヤーの専門会社だったんですね。
この機種の頃には上位機種JL-B77には自社開発の最高レベル(現在でもこれを超えるのはあるのか?)の
モーターを開発したりこの後ごく一時期ACモーター(JL-B61/TT-61など)を開発採用したり
またDCモーターを開発採用しその後のメインモーターとして自社機はもちろん
ヤマハやマイクロなどにOEM供給する事になります。
なお、本機のモーターはフジヤ製とも言われています。
不二家電機はあのお菓子の不二家の系列で戦時中軍産用モーターを作り、戦後レコードプレーヤーを作り
その後PC用ディスクドライブモーターなどを作っています。
確かにこの後のビクター機や東芝機、DENON機、マイクロ機などにはフジヤ製のモーターは使われています。
本機やQL-7R(TT-71)、ヤマハYP-D7などのモーターのFG基板にはJVCのロゴが描かれているので
フジヤとの共同開発か製造委託といったところでしょうか。
この機種はクォーツロックになる前の機種ですので回転が安定しないのではとお気になさる方も居られるかと思いますが
私が多数のプレーヤーを使ったところでは全く問題ないと確信します。
クォーツロックでないと音が変化するとかクォーツの方が音が良いとかはありません。
クォーツなら調整がいらないというだけです。
ストロボが安定して止まらないと気にされる方も居られるかと思いますが
ストロボは電源の50Hzまたは60Hzの明滅を利用しているので目安にすぎません。
実際には電源周波数はその地域の電力使用量によっては微妙に変化するのです。
発電所はその変化をできるだけ少なくする努力はしていますがクォーツ並みにする事はできません。
DCサーボモーターですからプラッターの回転数は電源周波数には影響されません。
周波数で変化するのはストロボの明滅周期です。
この変化を回転の変化ととらえて頻繁に回転調整をすればボリュームが痛んでしまいます。
レコードプレーヤーは本機のように丁寧に作られていれば、まず良い音がします。
その中ではアームがいちばん音に影響するかもしれません。
単売品としてとても人気の高いUA-7045をプレーヤー搭載用に簡略化した高性能アームです。
簡略化されてはいますが音は同等といえるかと思います。機能的で美しいアームは良い音がするものです。
本機が前機種と違う特筆すべき所はこのアームとACモーターですね。
JL-B41や31は数多く手がけましたがこのB41のマークⅡはとても珍しく2台目になります。
無印のアルペンオーク(マホガニー?)仕様よりも仕上げが美しく、後のビクター機の顔といえるローズウッド仕様ですね。
レコードプレーヤーはオーディオ製品の中では特に繊細でその取り扱いには熟練が必要かと思います。
私は今でもレコードを聴くことがメインで多くのプレーヤーを使用してきました。
やはりオーディオマニアでしたらレコードを聴きましょう。
メカ部分がほとんどのアナログレコードプレーヤーはオーディオ機器の中では本当に特別な物と思います。
リサイクル業者の方などご自身で全くプレーヤーを扱う事のないオーディオとは無関係な方が梱包を行うとプラッター
ゴムシート、アームなどをロクに固定もせず送られてしまい本当に呆れる事が多いです。
いくら細かく説明してもわからないのですね。
この点私は趣味でプレーヤーを扱って来ましたので梱包、発送に関しては安心してください。
プラッター、ゴムシート、カウンターウェイトなどは取り外して同梱します。
アームはテープなどで固定して緩衝材も使います。
ただし、段ボール箱や緩衝材はリサイクルを使いますのでご了承ください。