ウィーン・フィル栄光の歴史~ウィーン・フィルハーモニー結成150年記念特別企画
ウィーン国立歌劇場のオーケストラであるウィーン国立歌劇場管弦楽団(6管編成・150名ほど)の団員から選ばれたメンバーによって構成されたオーケストラ(5管編成・120名ほど)である。ウィーン独特の楽器や奏法などを歴代の名手たちが後輩に伝えることで長年受け継がれてきた。大型の編成を求められる曲(マーラーなど)では、国立歌劇場の団員もエキストラとして出演する場合もある。
楽団長もつとめたオットー・シュトラッサーは「ウィーンの伝統的な奏法は確かに存在する」と語ったが、ウィーンの伝統的な奏法とは、ヴァイオリンではヨーゼフ・ベームとヨーゼフ・ヘルメスベルガーによって確立されたもので、その奏法の根本となる精神は代々伝えられてきた。メンバーは代々ウィーンまたはオーストリア出身者で構成されているが、ウィーンがスラヴ、ボヘミア、ドイツ、イタリア系などが共存する人種のるつぼのような都市であることと関係し、ウィーン・フィルの響きの均質性、統一性は決して抽象的なものではなく、教育の継承とその伝統を根底で支えている精神によって形作られている。その精神とは、"音楽を主体性と喜びをもって演奏する"ことであり、それらが一体となって独自の典雅で柔らかな音色がつくられてきた。その独自サウンドの背景には、本拠地であるムジークフェラインザールと国立歌劇場の優れた音響や1960年完成のザルツブルク祝祭大劇場などの柔らかく温かい響きもバックボーンとなっている。
1933年以来、常任指揮者は置いていない。定期演奏会のプログラムは楽団にて自主決定され、その上で、指揮者、独奏者、歌手を楽団が招聘する。責任者である楽団長は選挙で選ばれる。 定期演奏会はあくまでも年間契約者に対しての予約販売であるため、現地でも入手困難である。
収録曲
01交響曲第102番変ロ長調Hob.I-102 (ハイドン)/レナード・バーンスタイン
02ピアノ協奏曲ト長調 (ラヴェル)/同
03交響詩「ペレアスとメリザンド」op.5 (シェーンベルク)/カール・ベーム
04同「死と浄化」op.24 (R.シュトラウス)/同
05「レオノーレ序曲」第3番op.72a (ベートーヴェン)/ヴィルヘルム・フルトヴェングラー
06交響曲第2番ニ長調op.73 (ブラームス)/同
07「大フーガ」変ロ長調op.133 (ベートーヴェン)/同
08交響曲第9番ニ短調op.125「合唱」 (同)/同
09同第9番ニ短調 (ブルックナー)/ヘルベルト・フォン・カラヤン
10同第8番ロ短調D.759「未完成」 (シューベルト)/オットー・クレンペラー
11同第5番ハ短調op.67「運命」 (ベートーヴェン)/同
12軽騎兵の歌による変奏曲 (シュミット)/ハンス・クナッパーツブッシュ
13交響曲第9番ハ長調D.944「ザ・グレート」 (シューベルト)/同
14ミサ・ソレムニス ニ長調op.123 (ベートーヴェン)/クレメンス・クラウス
15「プルチネルラ」組曲~1949年改訂版 (ストラヴィンスキー)/同
16交響詩「魔法使いの弟子」 (デュカス)/同
17交響曲第5番変ロ長調 (ブルックナー)/カール・シューリヒト
18「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕前奏曲 (ワーグナー)/リヒャルト・シュトラウス
19家庭交響曲op.53 (R.シュトラウス)/同
20ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずらop.28 (同)/同
21交響曲第38番ニ長調K.504「プラハ」 (モーツァルト)/ブルーノ・ワルター
22同第4番 (マーラー)/同
23仲良しのワルツ/エーリッヒ・クライバー
24アンネン・ポルカ/クレメンス・クラウス
25ワルツ「美しく青きドナウ」/ジョージ・セル
26皇帝円舞曲/ブルーノ・ワルター
27ポルカ「浮気心」/ハンス・クナッパーツブッシュ
28常動曲/カール・ベーム
29ポルカ「観光列車」/クレメンス・クラウス
30ワルツ「天体の音楽」/ヘルベルト・フォン・カラヤン
31皇帝円舞曲/ヴィルヘルム・フルトヴェングラー
32ワルツ「春の声」/クレメンス・クラウス
33ピチカート・ポルカ/同
34ワルツ「オーストリアの村つばめ」/同
35ラデツキー行進曲/同
36喜歌劇「くるまば草」序曲/ウィリー・ボスコフスキー
37加速度円舞曲/ヨゼフ・クリップス
38ワルツ「ウィーンの森の物語」/ハンス・クナッパーツブッシュ
39ポルカ「狩り」/ヘルベルト・フォン・カラヤン
40ワルツ「南国のばら」/カール・ベーム
41同「酒・女・歌」/ウィリー・ボスコフスキー
42喜歌劇「こうもり」序曲/ロリン・マゼール
43仮面舞踏会のカドリーユ/クラウディオ・アバド
44トリッチ・トラッチ・ポルカ/ズービン・メータ
45皇帝円舞曲/ヘルベルト・フォン・カラヤン